アノテーションとは
アノテーションとは、AIに学習させるためのデータに「意味づけ」を行う作業です。
画像・音声・テキストなどの素材に対して、タグやラベルを付けることで、AIがその内容を理解し、分類・予測・認識などの処理を行えるようになります。
この作業は、ラベル付きのデータを使ってAIを学習させる「教師あり学習」において不可欠な工程であり、モデルの性能を左右する重要なステップです。
アノテーションの対象と作業例

アノテーションは、素材の種類によって作業内容が異なります。
以下は代表的な例です
- 画像
- バウンディングボックス
画像内の対象物を四角形で囲み、位置と範囲を示す作業 - セグメンテーション
画像をピクセル単位で分類し、領域ごとに意味づけする作業 - ラベル付け
データに対して「これは何か」を示す分類名を付ける作業
- バウンディングボックス
- 音声
- 話者識別
音声データから誰が話しているかを判別・記録する作業 - 感情ラベル
音声やテキストに含まれる感情(喜怒哀楽など)を分類する作業 - ノイズ除去
音声データから不要な雑音を取り除き、分析対象を明確にする作業 - 発話区間の識別
音声の中で実際に話している部分を検出し、開始・終了を記録する作業
- 話者識別
- テキスト
- 品詞タグ付け
テキスト内の単語に対して、名詞・動詞などの品詞を割り当てる作業 - 感情分類
テキスト全体の印象をポジティブ・ネガティブなどに分類する作業 - エンティティ抽出
テキストから人名・地名・組織名などの固有情報を抜き出す作業
- 品詞タグ付け
- 動画
- フレーム単位でのラベル付け
- 動作や行動の識別(例:「歩く」「座る」など)
当社が提供する画像・映像素材も、こうしたアノテーション作業の対象となることを前提に、収集・撮影を行っています。
なお、撮影時点で以下のような情報を記録しておくと、後工程のアノテーション作業がより正確かつ効率的になります。
被写体の種類や特徴(人物・動物・製品など)
撮影場所の名称や環境(屋内/屋外、施設名など)
撮影日時や状況(季節、時間帯、イベント中など)
撮影の意図や構図のポイント(正面/側面、動作中など)
品質がAI性能に与える影響
アノテーションの品質は、AIモデルの精度に直結します。
ラベルが曖昧だったり、一貫性がなかったりすると、モデルが誤った学習をしてしまい、認識精度が低下する原因になります。
品質を保つためには、以下のような工夫が必要です。
ラベル定義の明確化:何をどう分類するかを事前に整理
複数人によるチェック:主観の偏りを防ぐ
再現性の検証:同じ素材に対して同じラベルが付くかを確認
アノテーションはAI開発の土台
アノテーションは、AI開発において「意味のあるデータ」をつくるための基礎工程です。
画像や音声にタグ・ラベルを付けることで、AIはその内容を理解し、精度の高いモデルを構築できます。
当社では、アノテーション品質に貢献できる素材提供を目指し、撮影時の情報整理や記録にも配慮しています。
AI開発における素材収集・撮影をご検討の際は、ぜひご相談ください。



